いよいよ受験シーズンになりました。
受験生はひたすら勉強するだけです。
でもそれができないから悩むんですよね。
また、ひたすらやっているのに、
思うような成果が出なかったり。
焦る気持ちはよくわかります。
世の中には不公平なことがあふれています。
思うようにいかないこともたくさんあります。
でも、勉強だけは絶対に公平です。
頑張ったら頑張っただけの成果が出るのが勉強なのです。
みなさんがこれから経験する人生には、
不公平で理不尽なことがゴロゴロしています。
その中で、勉強だけは自分を裏切りません。
ひたすら頑張りましょう。
世の中で一番不公平なのは家庭の経済かもしれません。
特に子どもではなんともしようがありません。
奨学金の制度もいろいろありますが、
返済を考えると躊躇う材料もたくさん出てきます。
奨学金の借入と返済の仕組み
そこで、奨学金の借入と返済の仕組みを見てみます。
日本で1番知られた奨学金は日本学生支援機構です。
http://www.jasso.go.jp/
こちらを利用する生徒がどこの学校でも1番たくさんいます。
日本学生支援機構 給付型奨学金について
日本学生支援機構の奨学金の中で
全く返済しなくていいのが、
「給付型奨学金」です。
平成29年度から出来た新しい制度で、
各高校に一人の枠があり、
高校での選考に通れば必ずもらえます。
が、しかし、対象が限られています。
平成30年度の要綱によれば以下です。
ア.住民税非課税世帯(市町村民税所得割額が0円)の人、又は生活保護受給世帯の人
イ.社会的養護を必要とする人(※1)
※1 社会的養護を必要とする人
18歳時点で児童養護施設、児童自立支援施設、情緒障害児短期治療施設(平成29年4月~「児童心理治療施設」に改称)、自立援助ホームに入所している人若しくは入所していた人、又は、18歳時点で里親、小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)委託者のもとで養育されている人若しくは養育されていた人
※2 平成30年3月末に高等学校等を卒業予定の人の他、高等学校を卒業後2年以内の人、高卒認定試験合格者で合格後2年以内の人
日本学生支援機構 給付型奨学金
が申し込めます。
アとイは別立てで申請できますから、
児童養護施設などで生活している人とは別に、
もう一人、
条件を満たせば、高校から推薦することができます。
高校の推薦が奨学金選考の全てです。
ですからこれについては高校で推薦してもらえばほとんど奨学金がもらえると考えてください。
保護者が住民税非課税かどうかがポイントです。
成績などのガイドラインはありますが、
家計が苦しくとも、学ぶ意欲のある者に給付しようという趣旨で作られたものですから、
成績などで細かな制限はありません。
給付金額
自宅通学 国公立 2万・私大 3万
自宅外通学 国公立 3万・私大 4万
私大の自宅外では4万も給付されます。返済しなくていいのですからとても大きいです。
返済義務のある貸与型奨学金を見てみましょう。
多くの家庭は二種と言われる利子があるものになります。一種は家計の基準などが厳しくなかなか通らないからです。
では二種で借りた場合。
毎月3万を4年間借りた場合。
貸与総額は144万です。そして、返済総額はおよそ176万。(利息は大学卒業時に決まりますので、最高の3%で計算。)利息分が30万もあるのです。
これを毎月返済すると、11293円を13年間です。
大変ですが、これなら何とかなりそうな気もします。
では5万を4年間借りた場合。
貸与総額は240万。返済総額は302万。実に60万の利息分。
毎月返済額は16789円、15年間です。
23歳から38歳まで毎月これだけの返済が迫られます。
では10万借りたら。
貸与総額480万。返済総額は645万。
毎月27000円を20年間です。
23歳から43歳までの時期は、マイホームのローンも始まり、早い人だと自分の子どもの学資を工面しなくてはならない年頃です。
その時期まで返済が続くのです。これは実際にはかなり厳しい条件になります。
私大の授業料は4年間でおよそ500万。それ以外に通学費用や、自宅外だと高い家賃もかかります。
授業料を全て奨学金でとあてにしている人は
何とか無利子の奨学金を探しましょう。
住んでいる自治体が無利子奨学金を出している場合が多いです。しかも申し込み期間を2月から3月に設定している都市が大半です。まだ間に合います。
奨学金だけを頼りに私大自宅外で4年間過ごすのはなかなか大変です。
保護者はもちろん学校の先生にも知恵を貸してもらいましょう。自分一人で安心したり、諦めたりしないでください。