その1では母親のクレームに対して、
最初の電話でどう対応すればよいのかを書きました。
大事なのは、
2 自分の対応でよくないことがあったと判断したらその場で謝ること
3 担任として生徒の傷付いた気持ちを理解できていなかったことを謝る
特に大切なのは3です。
保護者は子どもが何ともない時には連絡して来ません。
子どもが学校生活で嫌な気持ちになるようなことがあって、
それを保護者に訴えることが電話の発端です。
ですので、その理由に正当性がないと感じた時でも、
生徒の辛さに気付かなかったことは担任の落ち度だと認めて
素直に謝った方がいいのです。
その上で、次の対策を講じます。
さて、今回の訴えはこうでした。
「沙耶が今朝泣いて学校辞めたいって言い出した。何でも小論文の先生にひどいことを毎日言われてるそう。こんなんで受かるかとか、こんなことも知らないのかとか私も聞いてびっくりした。しかもそれを担任のあなたも知っていて見逃してるそうじゃありませんか、娘の大事な時期になんてことしてくれたんですか。これで娘が落ちたらどうしてくれるんですか?!責任とってもらいますよ!!」
とまぁすごい剣幕です。
さて、「その1」で模範回答を書きましたが、ここでは失敗したパターンを再現してみます。
責任とってと言われましても、受験は娘さんがすることですし、責任はとれませんね。
↑これは最悪です。保護者の言葉じりに反応して喧嘩を始めたようなものです。
保護者の「責任とって」は本気の言葉ではありません。言い換えたら「もう私ではどうしようもないから、先生なんとかしてくださいよ」というお願いなのです。それに気付いてください。責任論を言ってるのではありません。
責任とれないなんて、何のための担任なんですか。娘がひどい指導を受けてたのを見過ごした責任があるんじゃないですか。
担任
まぁそうなんですが、気づいていなかったので、仕方ないです。
↑これも失敗です。職員室で叱られているのなら気づかないわけがありません。例えその場にいなくてもわかるような状況には、言い逃れはできません。万が一、本当に気付いていなかったとしたら、そのこと自体が過失です。
仕方ないってことはないでしょう。気付かなかったですませていいんですか?
担任
はぁ、でもほんとに気付かなかったんで。
↑保護者の言うとおりです。ここは、「気付かなかったので、申し訳けありませんでした」です。自分の過失を認めないと益々炎上してしまいます。
だったら何のために担任がいるのですか?
担任
ショートに行ったり、ロングをやったり。。
この担任は、保護者の言葉の最後の部分に対してだけ応答してしまうからです。
責任とって→無理です。
気付かないなんてあるの?→仕方ない。
担任の仕事は→ショートとロング。
こんな一問一答みたいな回答を保護者が望んでいるわけではないことは、
流れを読んでくださっている皆さんにはすぐにわかることと思います。
でも、電話口で、こういうやり取りを繰り返している先生のなんと多いことか。
ショートとかロングって、今そんな話じゃないんです。
娘が明日から学校に行きたくないって行ってるんですよ。
担任
あぁ、それは困りましたね。
↑ここで保護者が自分で問題を整理しています。それはありがたいことです。
「生徒が明日から学校に来ない」ということは、
担任としては一大事なわけです。
なのに人事みたいに「あーそれは困りましたね」では、
保護者の意図と外れた回答で、怒りの壺に油を注いでいるだけです。
保護者は娘が登校しぶりをしているのが不安で仕方なく、
とりあえずは一緒に悩んくれる人を求めているのです。
保護者の訴えの中心に話題をもどすこと。
言葉の一つ一つに反応しないこと。
では続きは
【若い先生へ】保護者対応こんな時どうする?その3