行ってきました!
上野の東京都美術館で現在開催中の
「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢 」
ゴッホ展は今までも、ゴーギャンとの比較展など、何度か足を運んだことがありましたが、今回は日本で初めて、オランダのファンゴッホ美術館と共催する企画とのことで、とっても楽しみにしていました。
行ってみて期待を裏切らない満足感を感じています。皆さんもぜひお出かけください。
パリ滞在中に描かれた「画家として自画像」も出展されています。これは展覧会場で一番最初にお目にかかる絵です。入口すぐに飾ってあります。
今回の展覧会は全国3カ所の巡回展で、最後は本家、アムステルダムのゴッホ美術館でやるそうです。
<「ゴッホ展巡りゆく日本の夢」日程・会場>
■東京展
10月24日から1月8日
上野 東京都美術館
午前9時30分~午後5時30分
※金曜日は午後8時まで
■京都展
1月20日から3月4日
京都近代美術館
■札幌展
終了しています
(※詳細は記事下にも記載)
「ゴッホ展巡りゆく日本の夢」の魅力
この展覧会ならでは
なんといってもかつてないアムステルダムのゴッホ美術館との共催による世界各地からの本邦初公開の作品たちです。
ゴッホの作品の多くは、オランダのクレラーミュラー美術館にありますが、今回はクレラーミュラーだけでなく、プリンストン大学美術館、メトロポリタン美術館といった世界の名だたる美術館や、個人コレクションの作品も出ています。
それもゴッホ美術館の力が大きいのかもしれないですね。
見どころ
今回のゴッホ展での見どころ4点をご紹介します。
1「夾竹桃と本のある静物」
「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」https://t.co/ptdrOjGKLX 「オリーヴを摘む人々」「夾竹桃と本のある静物」「下草とキヅタのある木の幹」「雪景色」そして「渓谷」。単純にゴッホ作品を観に行くだけでも心が満たされること間違いなしです。#ゴッホ展 #東京都美術館 pic.twitter.com/vi5ON0CNsX
— Tak(たけ) @『カフェのある美術館』 (@taktwi) 2017年10月31日
これは本邦初公開!
夾竹桃のほんのりしたピンクと花の下に置いてある黄色の本のコントラストにうっとりします。
本の題名は、ゾラの「生きる歓び」
この絵を描いたころ、ゴッホの精神状態は安定していたそうですが、それが絵に現れています。ゴッホは夾竹桃の花が好きで、自分の黄色い家の庭先に二本植えることを夢見ている と語ったそうです。
2「花魁」
【ゴッホが日本を愛した証①】《花魁(溪斎英泉による)》
当時パリで発行された、日本特集の雑誌の表紙を模写したものです。雑誌が、左右反転して元の浮世絵を印刷したため、ゴッホの作品も反転して描かれました。かんざしなど、元絵で着色されていない部分の色は、彼のオリジナル。 pic.twitter.com/ZQQyOeJYiE— ゴッホ展 巡りゆく日本の夢 (@gogh_japan) 2017年11月2日
これは渓斎英泉の浮世絵美人を模して描いたと言われています。英泉の絵も出ていますから、比較してみることができます。下の方に書かれた蛙や虫は広重にそっくりの絵があって、それも比較して見られます。
英泉の絵と反転しているのは、雑誌の表紙に書かれたものをトレース描いたからと言われています。
想像よりも小さな絵でしたが、ゴッホが日本に憧れていたことがはっきりわかる作品です。
ゴッホの目に浮世絵がどう映ったかを想像するとじわじわと感動の波がやってきます。
【休室日】
本日10/30(月)、 #ゴッホ展 はお休みです。明日からの皆様のお越しをお待ちしております。写真は、《花魁(溪斎英泉による)》。本展ではゴッホが日本美術に魅了されるきっかけとなった数々の浮世絵も展示。花魁、ガマ、蛙、鶴が別々の版画からとられています。 pic.twitter.com/1W8vW6YYjw— 東京都美術館 (@tobikan_jp) 2017年10月30日
3ゴッホが影響を受けたと言われている縮緬絵(ちりめんえ)
ゴッホが生きたのは日本で言えば江戸後期から明治初期。
江戸時代は鎖国していましたが、長崎の出島ではオランダとだけ取引きする日蘭貿易は許されていました。日本の浮世絵がオランダのゴッホの目に触れたのはこのためです。
当時のオランダの人々がグレポンと呼ばれる、皺の寄った特別の紙に描かれた浮世絵絵を見て、感動していたなんて、日本万歳です。精神病で療養中のゴッホの部屋に縮緬絵が飾ってあったそうです。
4ガシェ家の芳名録
ゴッホ展プレスリリースに斎藤茂吉の短歌が出ています。ガシェ家の芳名録にしるされた全集未収載の歌です。関東圏では東京都美術館で10月24日から2018年1月8日まで。ぜひ。https://t.co/yXVB3K7yf7 pic.twitter.com/Ox9oTsctiX
— 斎藤茂吉PR (@mokichi_pr) 2017年6月11日
ゴッホの主治医のガシェ。ゴッホの死後、その絵をたくさん所持していました。ガシェ家を日本人画家が訪れていることがわかる芳名録が今回出ています。
日本に憧れて日本の絵を真似て描いたゴッホを、後の日本人画家が憧れる。なんと大きな流れでしょう。
佐伯祐三や、画家ではありませんが斎藤茂吉の名前もありました。ゴッホの死後、著名な日本人が何人も苦労して、ガジェの遺族の元を訪れて、やっとゴッホの生の絵画を日本で見られるようになった経緯がわかります。
展覧会のために絵画の貸し出しを頼む手紙やはがきもたくさん展示されています。昭和のはじめのことなのに、流暢な英語で書かれていることに、当時の知識人の力を感じます。
特に里見勝蔵がガジェの息子に宛てた手紙にはゴッホへの愛が、あふれています。
ゴッホが日本を愛したから、逆もまた真。
ゴッホ展 混雑の程度
11月5日午前中、入場は15分待ちでした。
チケット購入は並んでいましたので、プレイガイドなどで買ってから行かれた方がいいです。
美術館の混雑具合は下のサイトが参考になります。
http://komu.artafterfive.com/exhibition?a=290
ゴッホの一生が絵本になった
ゴッホの一生が絵本になっています。
ぼくはフィンセント・ファン・ゴッホ 絵本でよむ画家のおはなし [ 林 綾野 ]
残された手紙や資料から
ゴッホの心、創作への想い、耳切り事件から37歳で突然の最期をむかえる日までが描かれています。
会期中のイベントもあります。
紙芝居で知る画家のおはなし
「ぼくはフィンセント・ファン・ゴッホ」
文:林綾野 絵:たんふるたん
演者:庄崎真知子(劇団 銅鑼)
日時:11月5日(日)、11月12日(日)
各日2回実施(11時~、14時~) 場所:東京都美術館 1階 アートラウンジ
定員:30名程度
参加費:無料
お子様にも、生のゴッホのすばらしさに触れる機会を持たせてあげられる良い機会です。
只今上映中の映画「ゴッホ〜最期の手紙〜」を見ると理解がまた深まります。
詳しい日程・会場・観覧料
会場により観覧料が異なります。
◇会期:2017年10月24日(火)~2018年1月8日(月・祝)◇会場:東京都美術館(東京都台東区上野公園8−36)◇開室時間:9:30~17:30 ※会期中の金曜日、11月1日(水)、2日(木)、4日(土)は20:00まで
(入室は閉室の30分前まで)◇休室日:月曜日(1月8日(月・祝)を除く)年末年始休館 12月31日(日)、1月1日(月・祝)◇観覧料:
一般1,600円(1,300円)
大学生・専門学校生1,300円(1,100円)
高校生800円(600円)
65歳以上1,000円(800円)
※( )内は前売と20人以上の団体料金 ※中学生以下は無料■京都展
◇会期:2018年1月20日(土)~3月4日(日)◇会場:京都国立近代美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町26-1)◇開館時間:9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)◇休館日:月曜日(2018年2月12日(月・祝)を除く)、2月13日(火)
◇観覧料:
一般1,500円(1,300円)
大学生1,100円(900円)
高校生600円(400円)
※( )内は前売と20人以上の団体料金 ※中学生以下は無料
ゴッホ展会場へのアクセス
上野駅で降ります。
公園口側へ出ます。
次の展示の紹介ポスターが並んでいます。
どれもおもしろそう。
ありました。
ゴッホ展のポスター。
もう少し。
この建物です。
建物の中は、広々しています。
チケット売り場もこの日はこんなに空いていましたが、いつもそうではありません。
さぁ入場します。
まとめ
日本とゴッホの関係が、江戸、明治という時代とともにわかります。
視点を定めて開設されたすばらしい展覧会。
今後人気必至ですから、早めに行く方がいいでしょう。