「暗中模索」の読み方と意味は?
意味・・・手がかりのないまま、いろいろ試してみること
「暗中」とは、「くらがり、やみのなか」という意味。
「模索」は、「手探りで探すこと。状況が不明の中でいろいろと試みること」という意味。
右も左もわからないような真っ暗闇のような状態だけれども、何とか状況を打破しようと必死にもがいてなんでもやってみる様子を表します。
「暗中模索」という語の由来は?
「暗中模索」という語は、『隋唐嘉話』という唐代の歴史家がまとめた本の中に書かれた故事に由来があります。
「有名な人に会ったら、暗闇を探ってでも彼らを知りたい」という話です。
唐の国に許敬宗(きょけいそう)という政治家がいました。彼は宰相という高い位までのぼりつめて、文才にも優れた人物でした。ところが、物忘れがとてもひどかったのです。しかも傲慢で、会った人のことすら覚えていないほどでした。
あまりに物忘れがひどいので、「あの人の注意力のなさや思慮のなさには困ったものだ。」と人々からいわれるようになってしまいました。
このことを知った許敬宗は、
「なんということもない一般人名前をいちいち覚えていてもしかたがない。「何 晏」「劉偵「沈約」「謝霊運」といった有名人に会ったのなら、暗中模索しても彼らの名前を思い出してみせますよ。」
と、言ったとのことです。
※「何 晏(かあん)」「劉偵(りゅうてい)」「沈約(しんやく)」「謝霊運(しゃれいうん)」というのは、いずれも古代の文豪詩人たちです。
いざとなれば、暗闇を探ってもというほど必死に、という使われ方をしていますね。
「暗中模索」の使い方は?
先が見えない状況でも、様々な方法でいろいろな取り組みを続けて事態をよくしようとしている様子が「暗中模索」。諦めずにがんばる様子ですね。
ですから、現状は真っ暗闇という悲惨な状況なのですが、目的に向かって試行錯誤するポジティブな状態ととらえてもいいでしょう。ポジティブといっても、明るい要素はまだ見えない真っ暗闇です。でも、努力を続けている、といった状況です。
とにかく出口はまだ見えていないけれども、あれこれ試みて何とかしようとしているときに使う言葉です。
・この企画を成功させるため、暗中模索を続けていく。
・会社は危機的状況にあるが、なんとか立て直すために、打開策を必死に暗中模索している。
「暗中模索」の類似語は?
人に対して悪口を言うことを表す言葉。
たくさんありますね。
五里霧中(ごりむちゅう)
曖昧模糊(あいまいもこ)
「暗中模索」の対義語は?
明々白々(めいめいはくはく)
明瞭(めいりょう)
一目瞭然(いちもくりょうぜん)
明確
鮮明
拍手喝采
「暗中」を用いた他の四字熟語は?
暗中飛躍(あんちゅうひやく)
暗中摸足(あんちゅうもそく)
八方ふさがりでつらい状況だけど、あきらめずに何とかしようとがんばる姿は前向き、ポジティブとも言えますね。

と勇気をもらう言葉です。
